2020年03月09日

能楽堂にハープが鎮座 ♡



2020年3月1日
広島アステールプラザ能舞台

能 楊貴妃
芸霓羽衣狂想曲
紅の裳すそ、羽のころも、天人の舞

玄宗皇帝が作曲された幻の曲

楊貴妃は、唐の時代、ハープを弾かれていた。
長恨歌も読み、イメージを膨らませ、この楽曲を作曲しました。
約15分の曲。

初めての能舞台、様々な制約がありました。
1、能舞台は必ず足袋着用、ストッキング、靴下、裸足
2,能楽堂は、絶対に傷つけない。
よって、ハープ、椅子、アンプ、全ての下に藍の毛氈を敷きました。

能楽堂、なんと、ハープが柔らかく、キラキラと響くこと。

弾き始めて、あまりの音の響きに、自分が吸い込まれそうだった。

そして、この日、正式な能を、初めて、間近で観ました。

楊貴妃の能面の美しさ、角度によって、眼が変わる様。
楊貴妃を演じる能楽師、山下あさの様の空気感、荘厳な美しさ。

舞台袖での能楽師の皆様の礼を尽くした挨拶。
遥かな武家の時代から続く日本の伝統を引き継いでいました。

舞台と舞台袖は、一つであり、繋がっているもの。
全能楽師の心が一つに繋がっているようでした。

能舞台への出入りは、美しい揚げ幕。

能は、平和への祈り、神様に捧げるもの。

だから、カーテンコールも拍手も正式には、無い。

たくさんのことを学ばせて頂きました。

能楽師の方々は、オーケストラのように、正式にリハもなく、簡単な打ち合わせだけで、完璧な舞台を作る。

声楽家のように、楽屋で発声練習も一切しない。
それなのに、あの物凄い声。

考えさせられました。

技術と精神性、伝統、日本人の魂。

打ち上げが終わった後、一人でこっそりと、夜の原爆ドームの前で、長い1日を思い返してました。


  


Posted by La La Harp at 10:57Comments(0)